海宝堂〜海の皇女〜
「はぁ〜…」
神殿の前に座り込んで、リュートがまたため息を吐いた。
「なんなんだ、さっきから。うっとおしいぞ。」
「…だってよ…なんか、顔、合わせにくい…」
リュートだってお年頃。不可抗力とはいえ、見てしまったモノに対してそう簡単に割り切れはしない。
「普通にしてろ。
もうけもんだと思ってな。」
「ガル…お前、案外酷いな。
それとも、怒ってんの?」
ガルの拳がリュートの頭をとらえるが、リュートは間一髪、避けるのに成功した。
「わかったよ!もう言わねぇから!………はぁ〜」
「…リュート。」
「いや、『うぎゃあ』って、色気なくね?」
2人が吹き出すと、調度ニーナ達が戻ってきた。
―――――――――――――――
「中は暗いのね…」
「何が目的の神殿なのかしら…入り口があれじゃ、お祈りには来れないわよね?」
4人は一列になって暗い神殿の廊下らしき場所を歩いていた。
先頭のガルの持つたいまつの灯りだけが頼りの綱だ。
二番手のニーナ、三番手のシーファが推測を交わしながら続き。
シーファの後ろをリュートがついて行っていた。
人が1人通れるくらいの廊下は少し歩くと終わり、広く丸い部屋に出た。
「ねぇ、壁に絵が描いてある。」
薄暗いたいまつの灯りが部屋の壁中に描かれた壁画を照らし出す。
「男と…女?
島の言い伝えか何かか?」
「男の方は…王子?みたいだな。」
どうやら壁画は一つの話しになっているようだ。
男と女が恋に落ちる…
ありがちな伝説だ。
丹念に絵の全てを調べていたニーナが首を振る。
「絵にお宝が描き込まれているわけじゃないし、特に隠し扉もないわ。
先に進むしかないわね。」
やって来た廊下の対角線上に、下に伸びる階段があり、そこはまた人1人しか通れない細さだった。
神殿の前に座り込んで、リュートがまたため息を吐いた。
「なんなんだ、さっきから。うっとおしいぞ。」
「…だってよ…なんか、顔、合わせにくい…」
リュートだってお年頃。不可抗力とはいえ、見てしまったモノに対してそう簡単に割り切れはしない。
「普通にしてろ。
もうけもんだと思ってな。」
「ガル…お前、案外酷いな。
それとも、怒ってんの?」
ガルの拳がリュートの頭をとらえるが、リュートは間一髪、避けるのに成功した。
「わかったよ!もう言わねぇから!………はぁ〜」
「…リュート。」
「いや、『うぎゃあ』って、色気なくね?」
2人が吹き出すと、調度ニーナ達が戻ってきた。
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「中は暗いのね…」
「何が目的の神殿なのかしら…入り口があれじゃ、お祈りには来れないわよね?」
4人は一列になって暗い神殿の廊下らしき場所を歩いていた。
先頭のガルの持つたいまつの灯りだけが頼りの綱だ。
二番手のニーナ、三番手のシーファが推測を交わしながら続き。
シーファの後ろをリュートがついて行っていた。
人が1人通れるくらいの廊下は少し歩くと終わり、広く丸い部屋に出た。
「ねぇ、壁に絵が描いてある。」
薄暗いたいまつの灯りが部屋の壁中に描かれた壁画を照らし出す。
「男と…女?
島の言い伝えか何かか?」
「男の方は…王子?みたいだな。」
どうやら壁画は一つの話しになっているようだ。
男と女が恋に落ちる…
ありがちな伝説だ。
丹念に絵の全てを調べていたニーナが首を振る。
「絵にお宝が描き込まれているわけじゃないし、特に隠し扉もないわ。
先に進むしかないわね。」
やって来た廊下の対角線上に、下に伸びる階段があり、そこはまた人1人しか通れない細さだった。