あなたの声
「ねぇねぇ琉都」
「んだよ?」
あたしは琉都に耳打ちをするように小さな声で話しかけた。
「あの人たち...誰?」
「お前マジで言ってんの?」
「え?うん」
「はぁ。お前もう少し顔広くなれよ」
「えっ?」
「まずあの金髪みたいな茶髪みたいなのが原佑樹(ハラユウキ)。そんでその隣の坊主並みに短い髪のやつが長澤直樹(ナガサワナオキ)。中学からの俺の友達。って言うか親友?」
「へぇー」
その時あたしは初めて
この学校に名前を知らない人がいることを知った。