あなたの声




「琉都ありがとう…」

「おう」

沙希のことはなんとなく悲しいけど
あたしは今世界一幸せだ。
そう思った。

「じゃあ俺ら行くから」

琉都はそう言ってあたしの手を取りデパートから出た。

「ねぇ琉都」

「ん?」

「なんであたしの誕生日知ってるの?」

「お前が中々言わないから沙希に聞いた」

「だって自分から誕生日とか行ったらちょうだいって催促してるみたいじゃん」

「いんだよ彼女なんだから」

あたしはその"彼女"と言う響きがなんとなく嬉しかった。
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