あなたの声
そんな中また口を開いたのはお姉ちゃん。
お姉ちゃんは今のあたしと同じ年のときに子供を産んでいる。
でもその子は未熟児で産まれてきた上に、健康状態があまり良くなく産まれてわずか3週間くらいで
天国へ逝ってしまった。
でもそれは琉都のお兄さんとの子供じゃない。
前の彼氏との子供だった。
赤ちゃんが亡くなったって聞いてからソイツとは連絡が取れなくなったらしい。
「成美はどうしたいの?」
「あたしは…。まだまだ子供だしこれからやらなきゃいけないこともたくさんある。世間知らずだしこんな子供に何が出来るの?って思うかも知れないけど、あたしは産みたい」
あたしは思いを全て打ち明けた。
少しの沈黙の後、お母さんがやっと口を開いた。
「お母さんになるってそんな簡単じゃないのよ」
「わかってる」
お母さんが今まで女手一つであたしたちを育ててくれたから。
あたしはお母さんがどれだけ苦労してたかもずっと見てきたから。