あなたの声




「琉都…?」

病室の中には目を赤くした琉都のお母さんの姿。
泣いているのか窓の外を見つめ肩を震わすお父さん。
ただ黙って見つめる長澤直樹と佑樹君の姿。

あたしはそのまま琉都をずっと見つめ続けた。

「成美ちゃん?」

その時琉都のお母さんに声をかけられた。

「はい…」

「子供は?」

「無事に産まれました」

「そう、お疲れ様」

「ありがとうございます」

「琉都の側に行ってあげて?」

あたしはそう言われ琉都の近くに寄った。
< 201 / 217 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop