あなたの声
「琉都…?」
病室の中には目を赤くした琉都のお母さんの姿。
泣いているのか窓の外を見つめ肩を震わすお父さん。
ただ黙って見つめる長澤直樹と佑樹君の姿。
あたしはそのまま琉都をずっと見つめ続けた。
「成美ちゃん?」
その時琉都のお母さんに声をかけられた。
「はい…」
「子供は?」
「無事に産まれました」
「そう、お疲れ様」
「ありがとうございます」
「琉都の側に行ってあげて?」
あたしはそう言われ琉都の近くに寄った。