あなたの声
「琉都…?赤ちゃん…産んだんだよ?未熟児だけどちゃんと生きて産まれてきてくれたの」
どんなに話しかけても琉都は起きてくれない。
そんなことは自分でもちゃんとわかってる。
でも、琉都はなんとなく聞いてくれてるような感じがして話さずにはいられなかった。
「名前…何にしよっか?」
「……」
病室にはあたしの声しか聞こえない。
「琉都…?なんか言ってよ…黙ってないで…赤ちゃん見るんじゃないの…?」
「……」
「18になったら結婚するんでしょ…?なんで先に逝っちゃうの…?ずっと一緒にいようって…約束したじゃん…ねぇ…!琉都ぉ…!」
あたしの目からついに涙が流れた。
その涙は止まることを知らない。