あなたの声
あたしは琉都を置いて屋上を出た。
「沙希~」
「あ、成美~おかえり」
「沙希~あたし~」
「どうしたの!?澤田琉都になんかされた!?」
「うう...んっ。ぐすっ」
あたしは何故か涙が止まらなかった。
「何があったのか説明できる?」
「うう...。琉都がね、
ぐすん、琉都にね、好きって」
「言われたの!?」
「うん...でもね…何でもないって言われたの」
「は?」
「あたしねっよくわかんなくてね?頭の中で整理してたら聞いてないみたいに思われてねっ?何でもないって」
「勘違いってこと?」
「うん…」
「それ言った?」
「え?」
「勘違いだってことちゃんと澤田琉都に伝えた?」
「ううんっ...」
「じゃあそれちゃんと伝えなきゃだよ?向こうは成美が自分のことを好きなんて思ってないはずだよ?うじうじしてたら他に彼女作っちゃうよ?そんなの嫌でしょ?」
「ヤダ」
「じゃあちゃんと伝えてきな?」
「うん...!」