あなたの声




「ほらっ沙希!先生たち来るよ!」

「うん...ってえ...
もしかして...」

沙希の顔の血の気がどんどん引いていったように見えたのは気のせいだろうか。

「ん??」

「あ、あたしの隣」

沙希の隣の席には
地味で髪の毛なんかお構いなしのボサボサの髪の毛に
長い前髪に薄い縁のメガネをかけたダサい男子の姿。

「あっちゃー」

「名前と顔があってない!
ちょーブッサイク~」

「ちょっ!沙希!」

「ん?」

「ん?じゃない!
声でかい!」

「聞こえるように言ってるの~」


「おーい席に着け~」

「ほらっ!戻りな!」

「あぁぁ。アイツの隣とか~嫌だ」

「我慢我慢!」

沙希は文句を言いながら
自分の席に戻っていった。
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