あなたの声
「成美…」
「琉都…
あ、えっと」
「ちょっと来て」
琉都はそう言うと
あたしの手を取り屋上を出た。
屋上を出るとき
あの可愛らしい女の子と目があった。
その子は少し悲しそうな目でぺこっと頭を下げた。
そっか…
この子はきっと琉都が好きなんだ。
目を見たらわかるよ。
琉都は黙ったまま3階の空き教室に入った。
「りゅ、琉都?」
「なぁ」
「ん?」
「なんで午前中ずっとサボってたの?」
「受ける気なくて」
「ふーん。そんな理由か」
琉都は不機嫌だった。