あなたの声
よし。今日ちゃんと話そう。
「逃げてても何も変わらないよ」
あたしの頭の中で沙希が言った言葉が
とても重く感じた。
それは自分自身で逃げていることをわかっていたから。
家に帰るとあたしは
8時に琉都に連絡すると決めた。
それにメールではなく、電話でちゃんと話そう、
そう決めた。
8時が近づくにつれてあたしは時計を見る頻度が増えていた。
まだ1分しか経ってないことにもイライラを感じ
8時になった時にはなんとなく
解放感を感じた。