あなたの声
あたしだって琉都と出掛けたり、のんびりしたりしたかった。
でも進級がかかってるあたしにとって遊んではいられなかった。
「成美?今日は帰るな?」
「本当に?」
「邪魔しちゃいそうだし」
「わかった、ごめんね」
「いやこっちこそごめんな
落ち着いたら連絡して」
「うんわかった」
「夏休みはどっか行こうな?」
「うん!」
あの事件と大喧嘩以来
あたしたちはお互いが素直になることで喧嘩をすることは少なくなっていた。
以前のあたしたちなら間違いなく喧嘩になってただろう。