あなたの声




「成美おはよ」

「おはよ沙希」

「なんかあった?」

「なんで?」

「目の下クマ出来てる」

「最近あんま寝てないんだ」

「勉強?」

「うん」

「ったく、しょうがない。今日はバイトも休みだから特別に沙希様が勉強教えてあげよう!」

「本当に!?」

「うん」

沙希は学年で毎回3位に入る程頭が良い。
でも沙希は絶対に勉強を教えてくれなかった。
それはバイトを詰め詰めにしていたから。

沙希の家は両親ともに近くにある大型病院の先生で帰りが遅く、
沙希のお兄ちゃんがいつも彼女を連れ込んで居心地が悪く独り暮らしをしたかったから。
毎日のように沙希はお兄ちゃんの愚痴を行っていた。
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