カウントダウン!
イケメン?
心地良い風が肩ごしに吹き抜け、私の背後に生えている大樹の小さな枝枝が、さわさわと揺れるざわめきが聞こえる。


5月は気候も暑すぎず、かといって寒過ぎもせず。
ちょうどよい気温の日が続くので、昼食後の昼休みともなると、ぽかぽかとした陽気に眠気からまぶたが落ちてきそうになる。


私こと犬飼 葵(いぬかい あおい)は、高校の体育館裏にあり、高校の敷地内でひときわ大きな大樹の下で、幹に背中を預けて立ち、眠気と戦っていた。



いつもならこの時間は、私は教室で友達と話しているか、眠気のままに午後の授業が始まるまで惰眠をむさぼっていたはずだ。


だが今日は、ある理由からこの大樹の下で人を待っていた。


私の背後の大樹には、ある伝説がある。この木の下で告白して恋が成就すると、その相手と永遠に幸せになれる……とかいう。


どこぞのメモリアルなゲームに似たような話だと思ったが、意外に信憑性が高いとかで、告白するときはこの木の下で…というのが恒例らしい。
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