密関·蜜時間
ある日仕事で外出する社長の、運転手を頼まれた。


二人きりになるのは、なるべく避けていたので嫌だったが、社長命令をあまり拒否しるのも怪しまれる。


社内で親しい私より10個上の岩井紀子に愚痴を零す。



『社長一人でいけるでしょ。今日忙しいのにやめてほしいわ』


『他の人間には頼みにくいんやろいってあげな』


『はぁーー』


複雑な私の気持ちはわからないから仕方ない。



『送って!』
『はい』

車を会社の前まで回し社長を待つ。

車に乗り込むと、運転している私にお構いなく、村川は自分の手を当たり前のように、私の膝に置いた。


『やめて下さい。誰かに見られたらどうするんですか?』


『お前が普通にしてたら大丈夫』


『気になるでしょ』


こんな事でやめるはずがないのは、わかっていたし今日はぶが悪い。事故ったらしゃれにならない。

運転に集中し、早く目的地に着くのを祈った。
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