密関·蜜時間
不安なままに
帰社して



『社長迎えに来て言うてましたよ』


『なぎちゃんに迎えに来てほしいんやよ』と岩井紀子は言う。

誰も行ったりしないのはわかっていた。



『でも、自分で帰ってくるかもとも言うてはりましたよ』


と話仕事に戻った。



社長が言っていた時間になり、迎えに出掛けた。

『いってきます』

『はぁーい』



先ほど送った所まで行き、社長に電話する。



『お迎えに来ましたけど』

『えーー迎えに来てくれたん?自分で帰ろう思ってたのにありがとう!ごめん。あとちょっとだけ待ってて』


『はい』



嬉しそうだ。胸が痛んだ。
< 22 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop