密関·蜜時間
仕事が終わり私は、携帯をマナーモードにして町をうろつき、約束の時間をやり過ごした。



鳴り続ける電話

どれくらい経っただろうか?電話に出た。


『今何処?』

『···』

『お前んちの横の道に車止めて待ってる』


『···』


あーこの人には無理だ。

村川が言った場所に車は止まっていた。


運転席の窓に向かい


『無理、誰かに見られたらどうするんですか?』

『なら乗れ』

『だから』


車は動き、私に助手席にのるよう示した。


私が乗り込むと、村川馴染みの店に連れて行かれた。

会社と変わらない距離のある会話


社長と社員

埋めようのない距離

私しか知らない貴方の顔

優しさ

声 しぐさ

子供みたいな貴方


皆が知ってる会社で社長してる貴方

どれが本当の貴方なの


知りたい


深く


貴方の全てが



私は村川に恋をした。
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