密関·蜜時間
長い夜の始まり
私が帰宅したと同時位に、社長の車が横づけされた。
近所の目があるので、素早く車に乗り込んだ。
私達の住む街は、田舎町であるので些細な事が噂になる。
(めんどうで住みにくいこの町が私はあまり好きではない)

だから、会社の社長が車で迎えに来て二人で食事など問題外なのだ。

この人村川隆祐30歳妻子持ちは何を考えているんだろうか。
以前女子社員と、出張した際根も葉も無い噂をされて憤慨してた癖に!

車に乗り込み、仕事の報告をして私は何も悪くはないが、社長をお待たせした事を詫びた。

『いいよ!お前が悪いわけではない。仕事だ。仕方ない』
当たり前だ!と心で叫びながら。

『今日は遅くなったのでやめましょう』
と、提案したが、あえなく玉砕された。
『何が食べたい?何処に行く?』
どこまでも強引だ!
私の長い夜が始まった。
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