執事と蜜の味
タイトル未編集

私たちの関係は危ない関係。

恋に落ちた姫と執事


「亜依お嬢様朝でございます。」

耳元に甘い声が囁かれた。

執事の柏都くんの声。

鳥の囀りが木霊する。

陽射しはカーテンから

こぼれていた。

「ん…お…はよ」

「亜依お嬢様しっかり起きてください。」

「やだっ」

「亜依、柏都くんを困らせるんじゃない。」

パパは毎日うるさい。

最近じゃ全く言うことも聞かない。

「パパうるさいね」

柏都くんの耳元で囁くの。

「はい」

柏都くんはクスクスと笑う。

柏都くんは私が小学生の頃から

私の執事としてそばにいてくれた。

八歳年上の執事。

「朝食はお召し上がりになりますか?」

「ううん、お腹すいてないの」

なんでなのかな?

柏都くんが作る朝食ならいつも

自然とお腹はすいてくるのに…

「ハニープリンは?」

少し心配そうに私の顔を

柏都くんはのぞきこむ。

「あるの?」

「もちろんでございます。」

「じゃあもらおうかしら」

「ありがとうございます」


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