執事と蜜の味
「いい加減気づいてよ!!」

「しっかり言ってくださらないと

なにもわかりません」

「じゃあバカな頭に叩き込んであげるわ

ちゃんとよく聞きなさい!!

お嬢様はね

何がなんだかわからないけど

許嫁とじゃないと恋できないの。

だから誰かを好きなるたびに

女の子らしくない……

頑張って諦めてたわ。

柏都くんがいなかったら

いまさらこんな苦しい思いしなくてよかった。

恋なんか知らなかったら

泣いて苦しむこともなかった。

柏都くんに心配かけたくなくて

寂しいけど一人になったのに……

なんで来ちゃうの?

いつもの柏都くんらしくないよ

なんでそっとしといてくれないの?

こうやってぶつかりたくなかったから

ずっと我慢してたのに!!」

私……最低だ。

告白しようって決めたのに。

告白どころか

泣いて汗かいて

献花しちゃったよ………

この世に生まれなきゃよかった。

絶対この恋

うまくいはずないんだ。

柏都くんにさよなら言わなきゃ………

一瞬にして景色は真っ暗になった。

この匂い……柏都くんお手製のプリンの匂い。

私は柏都くんに

抱き締められていた。
< 5 / 9 >

この作品をシェア

pagetop