昔の男
「俺のこと、好きなの?」



ゴクリ




彼の冷たい眼差しに睨まれ、吐きだした息をのみ込む

まるで、ライオンに目をつけられた鹿のように身動きが取れない。




「ちょっと待って、私は……」





「人妻だろ?」





必死で出した声を遮られた私は、うんうんと頷くだけ




良く陽に焼けた腕が、ス―っと背中にまわされる。





「…やっ…やめて」


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