夢見る妄想族!
挨拶から始まり、昨日の預け預金残高、

純残高とつらつら営業が順番に報告していく。

夢子はそんな営業の男達を見ながら、ニヤニヤが止まらなかった。

ほぼ毎朝の事なのが、数字御発表中は、

誰かを餌として妄想するのだ。

さて脳内では、こんな物語が出来ているようだ。


堅実な経営をしている、融資の売り込みをしているA営業。

やっと社長に会って貰える事になり、内心ガッツポーズをしている。

渋いナイスな社長が現れ、営業トークをするが、

まだ一歩足りない様だ。

Aが社長に促すが、社長は

「どうしても融資をさせたいかね?」

「そうですね・・・今、説明させて頂いた事を踏まえますと」

すると社長、いきなりAに迫り、無理矢理押し倒してしまう。

(キャーー!ヤバイわ!ヤバイわ!でもAさんは絶対に受けだと思うんだもん)


そう、彼女は腐女子でもあるのだ。

卑猥な妄想をしていたが、支店長の朝礼終了の声と共に、

妄想から外れてしまった。

「夢子、アンタ、また変な事妄想してたでしょ」

「へ?」

「今日は誰が餌食なったのやら」

「いいじゃん!別に迷惑はかけてないし」

「まあ、そうだけどさ。ほら、早く現金のセット、済ませちゃおう」

迫って来た営業時間に間に合わせるべく、

窓口業務の準備をテキパキとこなしていった
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