純情♡SWEETIE
俺の胸で、泣きながら眠ってしまった毬乃。

パ-カ-なみだでびしょびしょになって、

どんだけ泣いたんだ。

『マリンが泣くのはゲッコーが関係した時だけ、、』

瑠羽がそう言ってたっけ、

最近思い出す毬乃の顔は泣き顔ばかりだ。

俺だけに見せる特別な顔は、泣き顔じゃなくて

笑顔であってほしいと思うのはオレのエゴだろうか。

階段を下りていくと、


「毬乃ちゃんは?」


と、ママが聞いてきた。


「泣き疲れて寝ちゃった。」


「あんた、やらしい事したんじゃないでしょうね。」


「下に親がいるのにするかよ。」


むっとしたオレに、


「冗談よ~。」

と、爆笑した。


「ねえ、毬乃ちゃんてあんな儚げな子だったっけ?

 なんか、野生児みたいな印象だったんだけど。」


「まぁ、ちょっと弱ってるんだ心が。

 結局、毬乃は全部一人で背負ってイギリスに行ってたんだね。

 まだそこから動けないでいるみたいだ。」


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