機械仕掛けの心の行方
人とのコミュニケーションを円滑にする為に人の形をしているというのに、彼に嫌われてしまったら、私は存在価値を失くしてしまう。

だがしかし、仕事もしなくてはいけない。

どうすればそれらを両立することが可能だろうか。

起動してすぐにこんなにも困難にぶつかってばかりで、私の思考回路はショートしてしまうのではないかと不安になる。

学習プログラムはフル回転で働いているのだろうが、それでもついていけていないかも知れない。



迷う私ではあったが、結局は彼らに注意の言葉を何度も並べることになった。

マスターはそのたび苦笑いを返し、息子は何も反応を返さなかった。

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