機械仕掛けの心の行方
ある日のことだった。

外がとても晴れていたので、私は息子を散歩に誘うことにした。

マスターも誘ったのだが、彼は仕事が忙しいらしい。

あまり部屋に篭っていると健康に悪いですよと釘を刺した後、私は息子と外へ出た。

彼とこうして出掛けることは初めてだった。

彼が外に出ないわけではない。

ふと私が目を離した隙に、いつの間にか出掛けていることがたまにあった。

それは本当にいつの間にかで、まるで魔法のようだと感心した。

ついていかなくて大丈夫でしょうかと何度かマスターに尋ねたが、彼はそのたびに、すぐ近くだから大丈夫だよと答えていた。

かまってやりたいと言っていた割に放任主義な一面がある彼に、人間の矛盾というものを感じたものだった。
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