機械仕掛けの心の行方
雲一つない快晴の空の下、私と息子は歩いていく。

どこに行きましょうかと尋ねる私を無視して、彼は一人で歩いて行ってしまう。


「あまり急ぐと転んでしまいますよ」


そう言った私に、彼の返した言葉は、


「足元」


どういう意味だろう、と思った次の瞬間、私はすぐ側に生えていた木の根に躓き、派手に転んでしまった。

自分で注意しておきながら、何たる様だろう。


「そこ、僕も昔よく転んだから。気をつけてね」

息子はそう言うと、また歩き始めた。
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