機械仕掛けの心の行方
「あなたは、機械、なんだよね?」


息子が神妙な顔をして、私に問う。


「えぇ」


それはどうしようもない事実だ。


「でも、僕と一緒にいてくれる」


「はい」


それが私の役目。


「それは、悪いこと?」


「いいえ」


善悪での判断はしかねるが、しかし、少なくとも悪ではない、はずだ。


「じゃあ、謝らないでいいじゃない」


「ね?」と、彼が笑う。

まるで私を諭すように。
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