ブスな彼女
真央の家に行こう。
「 …よしっ! 」
気合いを入れて立ち上がった。
ピンポーン。
? 誰だ?
出ようと思っていたから、確認する事なくドアを開けた。
そこには……驚いた顔で固まる真央がいた。
会いに行こうとした真央が目の前にいて、驚いて俺も固まってしまった。
「 何でチャイム…鍵、使えよ。」
我にかえって、つい無愛想にしてしまった。
「 ご、ごめん…。」
俺の言葉に、顔を俯け謝る。
「 入れよ。」
傷つけたい訳じゃないのに、出てくる言葉はきつくなる。
ドアを押さえる俺の前を顔を上げないまま通りすぎ、リビングへと向かう。
やはり何かあったのか…、真央の沈んだ様子に原因を考える。
何があった?
何かしたか?
考えても分からない…。
いつもの場所に座った真央の横に座る。
真央は俯いたまま俺を見ない。
「 なぁ……俺、何かしたか?」
真央の顔を覗きこむ。
俺の質問に下を向いたまま、頭を横にぶんぶんと振る。
「 じゃあ………嫌いになった?」
また、ぶんぶんと振られた事に安堵した。
「 はぁ……良かった…。」
張りつめていた体から力が抜ける。
ソファーに体を預け、天井を見つめる。
壁にかかった時計の音に自分の心臓の音が加わる。
大きくため息を吐いた俺に、俯いていた真央がビクッと反応する。
「何で……避けてる?」
俺の質問に体を固くする真央。
やっぱ、避けられてたか…。
原因は何か…まさか、『別れたい』とかないよな?
ずっと考えないようにしてた。
他に好きなやつが出来て…。
嫌だと思った時には考えるより体が動いて、真央を抱きしめていた。
真央は急な俺の行動に声もあげず固まる。
ぎゅっと力を込めると小さく体を震わせた。