ブスな彼女
腕の中で項垂れる真央をぎゅっと抱え込み、頭に顎を乗せる。
「なぁ…、何でそう思った?」
「…………」
「話してみ?……話せ。」
原因を言わないだろう真央に少しきつく命令する。
こうでもしないと言わないで自分の中にためて蓋をしてしまう。
そしてまた俺から離れようとするんだ。
「この前……中原さんと……」
真央はやっと小さな声でポツポツと話始めた。
中原…って誰だ?
「二人が並んで…楽しそうで……。」
楽しそうって…誰が?
苦しそうに顔を歪め、唇をかむ。
「…お似合いだなって……自分が側にいていいのかなって…。」
何で…そうなるかなぁ…。
俺は真央のマイナス思考に苦笑して、わざと大きく息をはいた。
「その、中原が誰なのか解らないし、いつの事かも解らないけど…。俺が側にいてほしいのは、真央だから。」