ブスな彼女
腕の中で俯いたまま動かない真央の背中を優しく撫でる。
柔らかい体に雄の煩悩が刺激される。
今はそんな場合じゃない…真央が逃げないように俺に縛り付ける事が優先だと、理性で押さえ込む。



「でも!…もっと可愛くて、光君に相応しい人が現れる!‥‥だから、今なら、……離れられる。」



苦しそうに吐き出された言葉に、心臓がギリギリと締め付けられた。
怒りで顔が熱くなる。


「それで?」

「え?」

「俺の事は?…真央が離れた後の俺は?」

ふざけんな…。
逃げるなんて…そんな事…させるわけないだろ?



「俺から離れても! 真央は平気だって言うのかよ……。」
肩を掴んで無理矢理向き合わせ、顔を覗きこむ。

「…ッ!! 平気なわけなっ……違う…でも……。うぅ…ごめん…少し…離れよう…?」


『離れよう 』

一瞬、頭が白くなった。


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