ぞっこん
やがて扇いでいたノートを机に置き、開いた。
賑やかなグランドとは打って変わり私は何千冊何万冊といった本に囲まれた静かな図書館で本を読む事もなく1人、大きな長机の隅で小説を書いている。
仕事とか何かに応募したりとか、将来の夢とかそんな大それたことではなく、ただ趣味の一環として。
書いているのは主に恋物語。
ファンタジーやミステリー系も好きだけど…それはやっぱり読むのが一番。
16年間生きてきて男の人と付き合ったことは一度もない私だけれど…恋したらこうなんだとか、付き合ったらこんな気持ちなんだとか妄想…想像することはできる。
今、書いている新作丁度30作目は本当にどこにでもありそうな話。
イケメンで王子様みたいな男の子と内気な女の子が恋をする学園物。
タイトルは…【真夏の王子様】