今宵、跡が残るくらい



たった半年。


されど半年。


その間に君を心から愛す事が出来た。


君は笑顔ばかりではなかったがそれでも君は本当に美しいと思えた。


今だってそう。


夫から逃げたいのという君も俺に抱かれながら声をあげる君も。


義父と義母の悪口をいう君も俺に抱きつきキスをせがんでくる君も。


全てが美しく輝いている。





「すーっ」





寝息を立てる君の顔を見ながら一緒に居た日々を思い出していたら。


もうこんな時間だ。





‘04:45’





君が言った時間まであともう少し。


どうする、俺。


寝た振りをし君と離れるのか寝た振りはせず君の手を掴むのか。


どうすれば君は喜んでくれるんだろうか?



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