無限センチメンタル
とにかく、何か手掛かりになるような物を探し出さなくては。

気を取り直して部屋の中に足を踏み入れると、色褪せた畳から勢いよくホコリが舞う。


狭い部屋を見渡してはみるものの、物なんか何にも無くて。

しばらく探し続けてやっと見つけたのが、ボロボロの紙切れたった1枚だけ。

良く見ると手書きの楽譜のようだった。


その一番最後の行を見た瞬間、俺の心臓はドクンと大きく音を立てた。

・・・文字だ。
最後にサインのような文字が書かれている。

はやる気持ちを押さえ、丁寧に埃をはらって、窓から差し込む薄明かりに照らしてみる。


『有坂 怜』

擦り切れた文字だったが、確かにそう読み取れた。

「・・・ありさか、れい・・・。」
ゆっくり確かめるように、その名を口の中で呟いてみる。


その時だった。
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