キミと私の49日間 ~虹の端できっと・・・~
思わず聞こえた大声に、一瞬だけだが動きが止まった。
たったの一瞬だけだったが、私が"視える"と相手側が気づくには十分だった。
立ち止まっていた彼は、こちらへ向かってくる。
逃げるかどうするか、と思案している間にも距離はすぐに縮まっていった。
背が高く、足は長いというモデル体型でありながら、顔は小顔で目鼻立ちもしっかりとしている。程よく焼けた肌は細身な割にたくましく、鍛えているのだろうと想像がついた。
綺麗な黒髪は少し遊ばせていて、生きていたらモテていただろうな、と何故か冷静に考えていた。
そんなことを考えているうちに、目の前に来た男を怖がるでもなく、ただ呆然と見上げた。
160cmある私でも見上げるほどで、少なくとも180cmは超えているのだろう。
そこまで考えてハッとした、ここまで来られては逃げられないことに。
しばらく相手は口を開かず、ただジッと私を見ていた。
私はいつ逃げようかと思いを巡らせながら、相手の隙が出来るのを待っていた。