キミと私の49日間 ~虹の端できっと・・・~
またか、と足早にその場を去ろうとする。
小さな町でも幽霊なんてたくさんいて、別段珍しいことではないが、幽霊が見えるなんて幽霊側に知られてしまっては何をされるか分からない。
制服はこの学校のものだと分かったので、もしかしたら見たことのある人かも、とチラリと一瞬だけ相手を見る。
ほんの一瞬だったが、目があったような気がした。
さらにスピードを上げてその場を去り、校内に入ったところで後ろを向く。
付いてきている様子はなく、ホッとする。
やはり目があった気がしたのは気のせいだったらしい。
HRも終わって、だいたいの人は部活に向かっている
でも、部活に入っていない私は、このまま家へ帰る。
いつものように、駅まで徒歩5分電車に揺られ、15分という距離を帰っていた。
いや、帰ろうとしていた…
今日のご飯は何にしようかと考えながら、校門の所へ来たときだった。
まださっきの男子がそこにいた。
幸い帰宅する生徒も多く、その中に紛れて抜けられそうだと朝と同じように速足で歩く。
「なあ、俺のこと見えてるんだろ!?」