絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅳ
「ばーか、んなことあるわけないじゃん。仕事がないのは人が多いせいというのもある。仕事ってのは限られてるしな、そんな次々だらだらあるもんでもない。人員換算間違ってる可能性もある。あとは、そうだなあ。ってか、仕事ないわけじゃないじゃん。あるんだろ? この際だから、ポットの水も毎日入れるようにすればいいんだ。飲んでる奴がいるなら。俺ならそういう人材がほしいね、伝票整理なんか誰でもできる。それより、誰もやらないことをやってくれてる方が何倍も助かる。その、なんだ? 建築家のところに行くのも、それはそれでお前しかできないんだからそれでいいと思う」
「けどね、この前さ、その、現場視察でね、ちょっとミスしたんだ……」
「どんな?」
「プリント渡し間違えたんじゃないかって。結局は分からないんだけど、でも、確認はしたの。二度」
「ならいい。反省するとしたら……、もしかして渡してないかもっていう、自信のなさだな」
佐々木と同じことを言う。
「自信持っていえば良かったかな……。渡しましたって」
「何で言わないんだよ。確認したんだろ? 言えばいいんだよ。渡しましたって、で、ないってんなら、相手方のミスだ。としか考えられない」
「……そっか」
さすが四対、今こんなにも納得している自分が信じられないくらいである。
「でもまあ」
彼はそこで言葉を区切った。
「けどね、この前さ、その、現場視察でね、ちょっとミスしたんだ……」
「どんな?」
「プリント渡し間違えたんじゃないかって。結局は分からないんだけど、でも、確認はしたの。二度」
「ならいい。反省するとしたら……、もしかして渡してないかもっていう、自信のなさだな」
佐々木と同じことを言う。
「自信持っていえば良かったかな……。渡しましたって」
「何で言わないんだよ。確認したんだろ? 言えばいいんだよ。渡しましたって、で、ないってんなら、相手方のミスだ。としか考えられない」
「……そっか」
さすが四対、今こんなにも納得している自分が信じられないくらいである。
「でもまあ」
彼はそこで言葉を区切った。