絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅳ
巽は余裕で笑った。
「違う!! 違うよ……もっと深刻な話だったの。ほんの5分の話だったけどね……ファミレスでお茶しながら話せるような内容でもなかったから」
「何だ? 今聞く」
巽は、エレベーターから降りると、自販機近くの人目につかないところで、タバコを取り出した。
「ええと、エレクトロニクスで私にしつこくしてた人いたじゃん。風間さんは会ったことある、あの人」
「ああ……」
「あの人が、突然、附和……」
そこまで言って、話の内容をようやく思い出した。
「……どうした?」
「……」
言うつもりなど、さらさらなかったせいで、大いに悩む。
「……えーと……」
「……?」
沈黙になるわけにはいかず、ただ声を出しておく。
「……あ、うん……。その……えっと……」
「附和が?」
「えーと、そう、附和さんが……」
「……何だ?」
その声は低い。香月は、誤魔化しがきかないことを悟り、話す覚悟を決めた。
「じゃなくて、そのエレクトロニクスの人は、涼屋って名前なんだけどね、その人が、突然、附和薫から情報をもらってきたから間違いない。香月さんの彼氏、麻薬やってますよって」
「違う!! 違うよ……もっと深刻な話だったの。ほんの5分の話だったけどね……ファミレスでお茶しながら話せるような内容でもなかったから」
「何だ? 今聞く」
巽は、エレベーターから降りると、自販機近くの人目につかないところで、タバコを取り出した。
「ええと、エレクトロニクスで私にしつこくしてた人いたじゃん。風間さんは会ったことある、あの人」
「ああ……」
「あの人が、突然、附和……」
そこまで言って、話の内容をようやく思い出した。
「……どうした?」
「……」
言うつもりなど、さらさらなかったせいで、大いに悩む。
「……えーと……」
「……?」
沈黙になるわけにはいかず、ただ声を出しておく。
「……あ、うん……。その……えっと……」
「附和が?」
「えーと、そう、附和さんが……」
「……何だ?」
その声は低い。香月は、誤魔化しがきかないことを悟り、話す覚悟を決めた。
「じゃなくて、そのエレクトロニクスの人は、涼屋って名前なんだけどね、その人が、突然、附和薫から情報をもらってきたから間違いない。香月さんの彼氏、麻薬やってますよって」