絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅳ
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商品部にお菓子を取りに行く。今まで商品部に行ったことがない香月にとって、興味深いものだったが、伊吹は退社ついでだからと一階ロビーまで持ってきてくれた。
「すみません。ありがとうございます」
「いえ、大丈夫ですよ」
「あの、おいくらですか?」
大勢が退社する中、財布を出すのもどうかと思ったが、仕方ない。
「いえ、お金なんて結構です」
ええ!? いや、社員割引とかあるかもとは思っていたが、いくらなんでもただでは……もらえないんじゃないんだろうか!?
「いえっ、そんなわけには……」
「じゃぁ食事でもどうです?」
え、い、まから? けど、
「あっ、じゃぁご馳走させてください」
と、言うしかない気がする。
「女性の方にご馳走してもらうわけにはいきませんけど、今日僕一人なので。誰かが一緒に食べてくれると助かります」
「えっと、じゃあ……」
商品部にお菓子を取りに行く。今まで商品部に行ったことがない香月にとって、興味深いものだったが、伊吹は退社ついでだからと一階ロビーまで持ってきてくれた。
「すみません。ありがとうございます」
「いえ、大丈夫ですよ」
「あの、おいくらですか?」
大勢が退社する中、財布を出すのもどうかと思ったが、仕方ない。
「いえ、お金なんて結構です」
ええ!? いや、社員割引とかあるかもとは思っていたが、いくらなんでもただでは……もらえないんじゃないんだろうか!?
「いえっ、そんなわけには……」
「じゃぁ食事でもどうです?」
え、い、まから? けど、
「あっ、じゃぁご馳走させてください」
と、言うしかない気がする。
「女性の方にご馳走してもらうわけにはいきませんけど、今日僕一人なので。誰かが一緒に食べてくれると助かります」
「えっと、じゃあ……」