絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅳ
四対は会社を抜けてきたせいか、非常に楽しそうだ。
「言ってないよ! そうだなあ……というか、何時まで大丈夫なの?」
「夕方にはさすがに戻らなきゃなあ……」
「え、じゃあそんなに時間ないじゃん」
時は既に11時を指している。
「今からランチでもいい?」
「私はいいよ。おなかすいてる」
「じゃあそれ先に言えよぉ」
「……今日は妙に上機嫌だね、怖いくらい」
「そ?」
四対は笑ってこっちを向いた。
そ? 、って……どうしちゃったんだろ。
まあ、社長ってくらいだから、腹痛いことを、笑顔でごまかしたりすることも、……まあ、ないとは言い切れないが、彼に限ればやっぱりないかもしれない……。
どうせなら、と、思いつき、何の名もない店に、2人して入ってみる。予想通り、四対は途中で手をつけなくなって、不機嫌になった(笑)。一般人の私からすれば、まあ、普通じゃん、という、程度の洋食屋さん。どうやら、国を動かず四対財閥の舌をうねらせることは、できなかったようだ。
その不機嫌を今直すことができるのは、いぶきしかないと、四対は豪語し、時間がかなり早かったが、いぶきに寄ることになった。
「本店の方?」
「あんこが食いたいから」
「本店は和菓子?」
「言ってないよ! そうだなあ……というか、何時まで大丈夫なの?」
「夕方にはさすがに戻らなきゃなあ……」
「え、じゃあそんなに時間ないじゃん」
時は既に11時を指している。
「今からランチでもいい?」
「私はいいよ。おなかすいてる」
「じゃあそれ先に言えよぉ」
「……今日は妙に上機嫌だね、怖いくらい」
「そ?」
四対は笑ってこっちを向いた。
そ? 、って……どうしちゃったんだろ。
まあ、社長ってくらいだから、腹痛いことを、笑顔でごまかしたりすることも、……まあ、ないとは言い切れないが、彼に限ればやっぱりないかもしれない……。
どうせなら、と、思いつき、何の名もない店に、2人して入ってみる。予想通り、四対は途中で手をつけなくなって、不機嫌になった(笑)。一般人の私からすれば、まあ、普通じゃん、という、程度の洋食屋さん。どうやら、国を動かず四対財閥の舌をうねらせることは、できなかったようだ。
その不機嫌を今直すことができるのは、いぶきしかないと、四対は豪語し、時間がかなり早かったが、いぶきに寄ることになった。
「本店の方?」
「あんこが食いたいから」
「本店は和菓子?」