絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅳ
「……どうしてです?」
「そんなことまで考えてないから」
「そんなことないです。今考えましたから」
「……あそう。で、どうする?」
彼はもう笑っていない。
腕時計を見た。時刻は9時10分。10分は今の会話で時間が稼げたことになる。今からここを出て、部屋に入ったとしても、11時まで1時間少々……。
キス……だけ、なら……。
そう、もう既に一度したではないか。
香月は一度、かたく目を閉じた。
「分かりました。だけど絶対11時にはもう一度電話してみて下さい」
「いいよ。それが約束」
「そんなことまで考えてないから」
「そんなことないです。今考えましたから」
「……あそう。で、どうする?」
彼はもう笑っていない。
腕時計を見た。時刻は9時10分。10分は今の会話で時間が稼げたことになる。今からここを出て、部屋に入ったとしても、11時まで1時間少々……。
キス……だけ、なら……。
そう、もう既に一度したではないか。
香月は一度、かたく目を閉じた。
「分かりました。だけど絶対11時にはもう一度電話してみて下さい」
「いいよ。それが約束」