絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅳ
「あー……若すぎるかあ……」
そこを流してくれて、ほっとした。
「私だったら丁度です」
多岐川は完全に言い切った。
「けど、性格悪いよ? なんというか、自分中心に世界が回ってるから」
「例えば?」
多岐川はどんどん攻めてくる。
「うーん……この前、つい2週間くらい前は、木曜の朝に突然電話がかかってきて、あと15分で着くからって。で、大急ぎで起きて、食事に行こうってなったんだけど。で、適当にその辺のきれいなお店に入ったら、まずいって言い出して。けど別に私からしたら普通なんだけどね。だから、普通の人からしたら普通の店なんだけど、もう途中で食べなくなって、で、伊吹のお店に行ったら、機嫌直るって行って、食べてぇ……中で」
「中でって?」
今井が目をギラギラさせているのが怖い。
「あそこ、中にビップルームがあるんですよ」
「へー!! 知らなかった……」
「で、中で食べて……もう夕方には会社戻らないとって、帰った、かな」
「すごすぎる……この際年なんてどうでもいいわ」
庶務課はそう言ったが、四対がそう思ってくれるのかどうかは知らない。
「まあ、だから、すごいお金持ちなんだけど、自己中ですよ……間違いなく」
「いいです、紹介してください」
多岐川は引かないつもりだろうが、しかし、紹介ったってなあ……。
「紹介って言ったって……紹介するからちょっと来てって言っても多分来てくれないと思うから……。だから、例えば、ちょっと偶然会ってみるとか……」
「いいですね!! 偶然通りかかって、会社の人なんですけどーって!!」
「うんまあ、そのくらいなら……」
「うんうん、いつですか、いつですか!?」
「いつったって……急に連絡くるし……」
「こっちからはかけられないんですか!?」
そこを流してくれて、ほっとした。
「私だったら丁度です」
多岐川は完全に言い切った。
「けど、性格悪いよ? なんというか、自分中心に世界が回ってるから」
「例えば?」
多岐川はどんどん攻めてくる。
「うーん……この前、つい2週間くらい前は、木曜の朝に突然電話がかかってきて、あと15分で着くからって。で、大急ぎで起きて、食事に行こうってなったんだけど。で、適当にその辺のきれいなお店に入ったら、まずいって言い出して。けど別に私からしたら普通なんだけどね。だから、普通の人からしたら普通の店なんだけど、もう途中で食べなくなって、で、伊吹のお店に行ったら、機嫌直るって行って、食べてぇ……中で」
「中でって?」
今井が目をギラギラさせているのが怖い。
「あそこ、中にビップルームがあるんですよ」
「へー!! 知らなかった……」
「で、中で食べて……もう夕方には会社戻らないとって、帰った、かな」
「すごすぎる……この際年なんてどうでもいいわ」
庶務課はそう言ったが、四対がそう思ってくれるのかどうかは知らない。
「まあ、だから、すごいお金持ちなんだけど、自己中ですよ……間違いなく」
「いいです、紹介してください」
多岐川は引かないつもりだろうが、しかし、紹介ったってなあ……。
「紹介って言ったって……紹介するからちょっと来てって言っても多分来てくれないと思うから……。だから、例えば、ちょっと偶然会ってみるとか……」
「いいですね!! 偶然通りかかって、会社の人なんですけどーって!!」
「うんまあ、そのくらいなら……」
「うんうん、いつですか、いつですか!?」
「いつったって……急に連絡くるし……」
「こっちからはかけられないんですか!?」