絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅳ
全くわけが分からないまま、男の名刺を受け取った。
ミサトコーポレーション 金融コンサルタント 水野 聡一
金融……コンサルタント? 家のローンでも組むつもりか?
全くの無縁の言葉に、顔を顰めるしかない。
「え……何?」
最上に聞いたが、彼女は神妙な顔つきのまま、俯いて何も言わない。
「簡単にご説明させていただきます」
水野は最上に視線で確認をしてから話しを始めた。
「最上さんは私どもの会社から二千万円の借り入れをなさっています」
「えっ!?」
失望で全てを支配するには、十分すぎる金額だった。
「返済プランを作らせていただいたのですが、それがどうも無理なようで。あなたにお越しいただいたということです。彼女が言うには、あなたは四対財閥の長男とお知り合いで、お金も貸していただけるだろう、ということでしたので」
「ちょっ……二千万って……」
「それは……後で言います」
ようやく最上が口を開いた。
「で、プランですが。一括返済しない限りは、毎月利子が発生します。その元本を返済するためには、利子と元本両方の返済が必要になります。
最上さんは、どうしても旦那さんに相談できないということで……。例えば自らがパートをして、それを返済にあてるのはどうでしょうかと相談を受けたのですが、それでは金額が少なすぎて、結局利子が増えるばかりだと、こうなったわけですね」
「……利子って一体どのくらいですか?」
「もちろん法定内です。しかし元本が二千万ですからね……最上さんが普通のパートで十万少々稼いでも、保育園や生活費らの金額を差し引いて入金して頂いても、死ぬまでには……」
「!? ちょっと……その、待ってください」
ミサトコーポレーション 金融コンサルタント 水野 聡一
金融……コンサルタント? 家のローンでも組むつもりか?
全くの無縁の言葉に、顔を顰めるしかない。
「え……何?」
最上に聞いたが、彼女は神妙な顔つきのまま、俯いて何も言わない。
「簡単にご説明させていただきます」
水野は最上に視線で確認をしてから話しを始めた。
「最上さんは私どもの会社から二千万円の借り入れをなさっています」
「えっ!?」
失望で全てを支配するには、十分すぎる金額だった。
「返済プランを作らせていただいたのですが、それがどうも無理なようで。あなたにお越しいただいたということです。彼女が言うには、あなたは四対財閥の長男とお知り合いで、お金も貸していただけるだろう、ということでしたので」
「ちょっ……二千万って……」
「それは……後で言います」
ようやく最上が口を開いた。
「で、プランですが。一括返済しない限りは、毎月利子が発生します。その元本を返済するためには、利子と元本両方の返済が必要になります。
最上さんは、どうしても旦那さんに相談できないということで……。例えば自らがパートをして、それを返済にあてるのはどうでしょうかと相談を受けたのですが、それでは金額が少なすぎて、結局利子が増えるばかりだと、こうなったわけですね」
「……利子って一体どのくらいですか?」
「もちろん法定内です。しかし元本が二千万ですからね……最上さんが普通のパートで十万少々稼いでも、保育園や生活費らの金額を差し引いて入金して頂いても、死ぬまでには……」
「!? ちょっと……その、待ってください」