狼彼氏に甘いキスを


「…夏織ちゃんの方が可愛いよ」

「……そう言ってくれる人もいるけど、あたしは自分に自信がない。だから、すぐに不安になるの。」



自分を信じれなくて、

暖人も信じれなかった。



「だけど、大丈夫。あたしは…好きだから、信じる。」


詩穂さんは穏やかな笑みを浮かべる。

「ちゃんと言ってね、暖人のお父さんに。」


あたしも笑い返す。


「あたしは暖人が好き。いくら揺らいでも、好きなのは変わらない。それでも、あたしと暖人を引き裂こうとしても、」


大好きなの、あの狼さんが。

ちょっと強引で、でも優しくて甘えん坊な狼さんが。




「絶対離れないから、って」




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