狼彼氏に甘いキスを
「口に気を付けないと後悔するぞ。」
しないね、何をされても。
「そっちこそ離してくれない?気持ち悪くてしょうがない。」
そう言ったら、男子は手を上げた。
――――殴られるっ
反射で目を閉じる。
だけど、いつまでたっても傷みは走らなかった。
恐る恐る目を開ける。
それと一緒のタイミングで胸ぐらから手が離れる。
「……?」
首を傾げた瞬間、低い声が耳に滑り込んできた。
「女子相手に何人でたかってんだよ。」
低くて、掠れたような声。
男子を軽々と負かして行くその男子は明るい茶髪でものすごく顔が綺麗。