狼彼氏に甘いキスを


【夏織side】



「夏織、好きな人できた?」


 ある日の昼休み、七瀬が急にそう言って来た。


「…え?」



 スキナヒト…?



 七瀬はジーッとあたしを見つめる。


「…まだ、気付いてないのかな」

「ど、どうして…?」


 何故急にそんなことを…。

 七瀬はニヤニヤと笑っている。



「輝いてるね、恋する乙女」



 か、が、や、い、て、る…?


「意味不明…」

「んーとね、可愛くなったのよ、前より。」


 前も今も可愛くない。


 そう言うと怒濤の勢いで口攻めされるので黙っとく。

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