狼彼氏に甘いキスを

 少し、名残惜しい気がした。


「夏織チャン…」


 豊岡くんの声に顔を上げる。

 いつもとは違う真剣な顔にドキリとする。



「調子悪い?」



 ……。

 急に、何ですか…。


「普通だよ?」


 若干嘘。

 朝から身体が少しだるい。
 けど、大したことないし。



 豊岡くんはジーッとあたしを見てからふいっと目をそらした。


「なら、いいけど」


 なんか、若干頬が赤かった気がするのは気のせい…?


「授業始まるよ」

 豊岡くんの声で我に帰る。


「豊岡くんも出なよ!」


 そう言いながら教室に向かう。

 豊岡くんと違ってビビりなのです。



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