狼彼氏に甘いキスを



「…夏織、あんた保健室行きなよ」

「へ?」


 昼休み、机にぐだーとしているあたしを見て七瀬が言った。


「調子悪いでしょ?朝からボケッとしてるし。」


 よく見てる七瀬。

 七瀬の趣味は人間観察だったりする。


「大丈夫だよ」



 少しだるいだけだから。


「駄目。あんたは昔から無理するんだから。」

 ビシッとデコピンされ、一瞬クラッとする。


「ほら、行ってきなよ。先生には言っといてあげるから。」


 七瀬の言葉に渋々立ち上がる。



「ちゃんと保健室に、行くのよー」


 信用ないのかな、あたしって。



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