狼彼氏に甘いキスを




『好き?そうなんだ。』


 なんだかいつもより冷たい豊岡くんの声。


『だから?俺に伝えてどうするつもり?』


 違う。
 豊岡くんはこんなこと言わない。



 なのに、こんなにも不安になるのはなんで?



『自分が好かれてるとでも思った?期待させちゃったね。』


 お願い、そんなこと言わないで。


『俺、実は彼女いるんだ。お前は遊び。』


 その女の人は誰?

 やっぱりあたしを捨てるのね。


 面白がってただけなのね。



 惹かれてたのは、あたしだけで、あたしの勝手だったんだ。



『じゃあな』



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