狼彼氏に甘いキスを


「っ豊岡くんが、あたしから離れていく夢…。」


 豊岡くんが驚いたのか、目を見開く。

 一回喋り出したら止まらない。


「あたしの隣に絶対いるわけじゃないのに、悲しくて、寂しい。」


 おかしいよね。

 小さく自虐的に笑う。



「豊岡くんはあたしのじゃないのに。」



 豊岡くんが笑む。


「…?」

 何がおかしいの?


 あぁ、あたしか。


 離れようとすると、強い力で止められる。

 顔がグッと近付く。



「夏織チャンのものになってあげようか?」



 頭の中が真っ白になった。

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