体で伝える愛言葉
廉斗は、この喧嘩をどう思ってるんだろう。


「きちんと説明しなかった慎二も悪いけど、琴弥ももう少し、慎二を信用してやってもいいのにな。」


「だって自分とのデートドタキャンされて、他の女と歩いてたら、そりゃぁ怒るよ。」


「他の女って言っても、あれ慎二の妹なんだぜ?」


えっ?


妹?


「あいつの家、複雑でさ、慎二が幼い頃に、両親が離婚してて、今の親父さん、血が繋がってないんだ。」


「そっか…。」


「それで、あいつの妹は、その親父が気に入らないらしくて、チョクチョク家出してくるんだよ。」


そう言えば、まだ廉斗が来る前にも何度か、『今日はこないでくれ』って、言われたことがあったな。


「じゃぁそう言えばいいじゃない。琴弥だって、わかってくれるよ。」


「言おうとしてたけど、琴弥は別れるの一点張りで、聞く耳なんて、持たないんだよ。」


そうだったんだ。


「慎二ももう完全に諦めちまってるし…どうにもなんないかもなぁ~。」


「琴弥…泣いてるの。慎二がまだ好きなんだと思う。」


「へっ?」


二人が喧嘩してから1週間で琴弥は、だいぶ痩せてしまった。
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