体で伝える愛言葉
私は、学校が終わってすぐに琴弥の家に向かった。


慎二と別れてからは、学校に来ていない。


「おばさん。琴弥います?」


「毎日来てくれてありがとう花梨ちゃん。琴弥なら、部屋にいるわ。」


私はすぐに、琴弥の部屋へ向かった。


中からは、琴弥の笑い声が聞こえてくる。


「琴弥?入るよ?」


部屋を開ければ、ボロボロの壁紙。


一度私がクスリを隠したとき、琴弥は、部屋中の壁を、引っ掻いたり殴ったりして、クスリを探していた。


「花梨だ~。花梨が二人いる~双子ちゃんだ~。」


「琴弥。真剣に聞いて。やっぱり今のままじゃダメだと思うの。ちゃんと慎二と話して。好きなんでしょ?慎二が。」


琴弥の顔色が変わる。


どんなにラリってても、慎二のことになると、ちゃんと琴弥に戻るんだ。


それだけ好きなんだと、嫌でもわかる。


「うっせぇなぁ~。ほっとけよ。知らねぇよあんなやつ。」


何度話しても、ずっとこんな調子。


慎二の話しには耳を貸そうともしない。


「素直になりなよ。」


「うっせぇ!!出てけよ!!お前なんか親友でも何でもねぇよ!!」


このひとことには、さすがの私もキレてしまった。
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